「毎回同じような案内メッセージを手動で送るのが負担」——LINEやメルマガの運用が軌道に乗ってくると、こうした悩みが出てきます。その解決策がステップ配信(ステップメール)です。あらかじめ用意したシナリオに沿って自動的にメッセージが届くため、手間をかけずに顧客との関係を育てられます。
ステップ配信とは

ステップ配信とは、登録・購入・来店などの特定のアクションを起点に、あらかじめ設定した間隔・内容でメッセージを自動配信する仕組みです。例えば「登録直後にお礼メッセージ」「3日後に使い方の案内」「7日後に限定オファー」というように、時間差で複数のメッセージを順番に届けます。
一斉配信(すべての登録者に同じタイミングで同じ内容を送る)と異なり、登録者一人ひとりの登録タイミングに合わせて個別に配信される点が特徴です。これにより、手動で追いかけなくても新規登録者に対して常に同じ質の対応ができます。
ステップ配信のメリット
- 手間をかけずに継続対応できる:一度設定すれば、新規登録者に対して自動で最適なタイミングの案内が届く
- 登録直後の関心が高いタイミングを逃さない:最も反応が良い「登録直後」に確実にアプローチできる
- 成約までの導線を設計できる:信頼構築→事例紹介→オファーという流れを計画的に組める
- 属人化を防げる:担当者が変わっても、同じ品質の対応を継続できる
代表的なステップ配信シナリオ例
| ステップ | 配信タイミング | 内容の例 |
|---|---|---|
| ステップ1 | 登録直後 | お礼メッセージ+自己紹介・特典案内 |
| ステップ2 | 1〜2日後 | よくある質問への回答、使い方・利用の流れ |
| ステップ3 | 3〜5日後 | お客様の声・事例紹介で信頼構築 |
| ステップ4 | 7日前後 | 期間限定オファー・初回特典の案内 |
| ステップ5 | 10〜14日後 | 反応がない場合の再アプローチ、別の切り口の提案 |
業種やゴール(来店・購入・問い合わせ)によって最適な間隔・通数は変わりますが、最初は3〜5通程度のシンプルな構成から始めるのが失敗しにくい進め方です。
📊 SOTEROS調査|ステップ配信導入事業者の実態(n=270)
- ステップ配信を導入している事業者:27%(LINE・メルマガいずれか)
- 導入後に成約率が向上したと回答:61%
- 平均ステップ数:4.2通
- 導入していない理由の1位:「シナリオの作り方が分からない」(46%)
【調査概要】2025年3〜5月実施 / 対象:LINE公式アカウント・メルマガを運用する個人事業主・中小企業 / 方法:オンラインアンケート / 当社支援先・自主応募を対象とした独自集計
シナリオ設計の3ステップ
- ゴールを決める:「初回予約」「商品購入」「問い合わせ」など、ステップ配信の最終ゴールを明確にする
- ゴールまでの心理的な流れを洗い出す:登録直後は「不安・様子見」、数日後は「比較検討」、その後「後押しがあれば決断」というように、顧客の心理変化を想定する
- 各段階に対応するメッセージを用意する:心理段階ごとに「安心材料」「判断材料」「決め手」となる情報を割り当てる
いきなり売り込みの内容から始めると離脱されやすいため、最初のステップは「役立つ情報」「お礼」など、受け取って嬉しい内容にするのが基本です。
LINEでのステップ配信の作り方

LINE公式アカウントでは有料プランでステップ配信(LINE公式アカウントでは「ステップ配信」機能として提供)を利用できます。友だち追加を起点に、あらかじめ作成したシナリオが自動的に配信される仕組みです。設定自体は管理画面上でメッセージと配信間隔を登録するだけで完結し、専門的なプログラミング知識は不要です。基本的な始め方はLINE公式アカウントの始め方を参照してください。
メルマガでのステップメールの作り方
メール配信システムの多くには「ステップメール」機能が搭載されています。登録日を起点に「〇日後に配信」という形で複数のメールをあらかじめ設定しておけば、以降は自動で配信され続けます。メルマガの基本的な始め方や文章の書き方はメルマガ集客の始め方で解説しています。
効果測定と改善の進め方
| 確認する指標 | 見るポイント |
|---|---|
| 各ステップの開封率 | どのステップで関心が離れ始めているか |
| 各ステップのクリック率 | 案内内容が魅力的に伝わっているか |
| 最終ステップまでの到達率 | シナリオ全体が長すぎないか |
| 最終的な成約率(予約・購入・問い合わせ) | シナリオ全体がゴールに貢献できているか |
最も反応が落ちるステップが見つかったら、そのステップの内容・件名・配信タイミングを優先的に見直しましょう。少しずつ改善を重ねることで、成約率は着実に上がっていきます。
よくある失敗と対策
失敗1:最初から通数を詰め込みすぎる
10通以上の長いシナリオをいきなり作ろうとすると挫折しやすく、内容も薄くなりがちです。まずは3〜5通で効果を検証し、必要に応じて追加していきましょう。
失敗2:全ステップが売り込み内容になっている
毎回オファーばかりでは離脱率が高まります。役立つ情報・信頼構築の内容を間に挟み、最後にオファーを置く構成が基本です。
失敗3:一度作ったら見直さない
ステップ配信は「作って終わり」ではありません。開封率・クリック率のデータを定期的に確認し、反応の悪いステップは改善し続けることで効果が持続します。
業種別ステップ配信の具体例
飲食店:初回来店から常連化までのシナリオ
- 来店当日〜翌日:来店お礼メッセージ
- 1週間後:人気メニューの紹介
- 3週間後:次回来店で使える特典クーポン
- 2ヶ月後:季節限定メニューの案内(反応がなければ再来店促進の特別オファー)
士業・コンサルティング:問い合わせ前の信頼構築シナリオ
- 登録直後:自己紹介・専門分野の実績紹介
- 3日後:よくある相談内容と解決の流れ
- 1週間後:お客様の声・事例紹介
- 10日後:無料相談・個別相談の案内
ECサイト・物販:カゴ落ち対策シナリオ
- カート投入後、放置1時間:購入手続きのリマインド
- 放置1日後:在庫状況・人気商品としての案内
- 放置3日後:期間限定の割引クーポン提示
いずれも「催促」ではなく「役立つ情報の延長線上に案内がある」という流れを意識すると、押し付けがましくならずに成約率を高められます。
ステップ配信とセグメント配信の組み合わせ方
ステップ配信(時間軸での自動化)と、属性・行動によるセグメント配信を組み合わせると、さらに精度の高いアプローチが可能になります。
| 組み合わせ例 | 内容 |
|---|---|
| 新規登録者向けステップ×初回特典 | 登録直後の関心の高さを逃さず初回利用を後押しする |
| 購入済み顧客向けステップ×リピート案内 | 購入後のフォローで満足度を高めつつ再購入を促す |
| 未開封者向けの再アプローチステップ | 反応がない登録者にだけ、切り口を変えた内容を配信する |
最初からすべてを組み合わせる必要はありません。まずは新規登録者向けの基本シナリオを1つ作り、効果を確認しながら他のパターンを追加していくのが現実的な進め方です。
ステップ配信を作る際の準備物
- ゴールの明確化:予約・購入・問い合わせなど、最終的に何を達成したいシナリオかを1文で書き出しておく
- 顧客の心理段階の整理:登録直後・数日後・1〜2週間後で、顧客が何を知りたい・不安に思っているかを想像する
- 各ステップの素材:テキスト・画像・リンク先URLをあらかじめ用意しておくと設定作業がスムーズ
- 配信間隔の仮決め:最初は「1日後・3日後・7日後」など区切りの良い間隔から始め、反応を見て調整する
これらを事前に整理してから管理画面での設定に入ると、途中で手が止まることなく短時間でシナリオを組み上げられます。
よくある質問(設計時の疑問)
ステップ配信の途中で内容を変更してもいいか
問題ありません。効果測定の結果を見ながら、反応の悪いステップの文面や配信間隔を随時見直すのが正しい運用方法です。一度作って終わりにせず、定期的な見直しを前提に運用しましょう。
すでに登録済みの人にも新しいステップ配信は届くか
配信システムの設定によります。多くのツールでは新規登録者のみを対象にできますが、既存の登録者にも改めて配信したい場合は、一斉配信やセグメント配信と組み合わせて対応します。
ステップ配信導入後に見るべき成果指標
| 指標 | 目安の見方 |
|---|---|
| シナリオ完走率 | 最終ステップまで届いた登録者の割合。極端に低ければ通数が多すぎる可能性がある |
| ステップごとの離脱率 | 特定のステップで大きく数字が落ちていれば、その内容・タイミングを優先的に見直す |
| シナリオ経由の成約率 | ステップ配信を受けた人が最終的に予約・購入に至った割合。一斉配信のみの場合と比較すると効果を実感しやすい |
ステップ配信は一度組めば自動で動き続けますが、数字を定期的に確認しなければ改善の機会を逃してしまいます。月1回程度、シナリオ全体の数字を見返す習慣をつけましょう。
シナリオは一度作って終わりではなく、季節や商品ラインナップの変化に応じて内容を更新していくものと捉えてください。年に1〜2回、シナリオ全体を棚卸しする機会を設けると、内容の陳腐化を防げます。
ステップ配信導入時によくあるつまずき
- 設定画面が複雑で挫折してしまう:多くのツールにはテンプレートが用意されているため、ゼロから作らずテンプレートを土台に文面を差し替えると着手しやすい
- 配信間隔をどう決めればいいか分からない:迷ったら「1日後・3日後・7日後」のように区切りの良い間隔から始め、反応を見て調整すればよい
- 効果測定の見方が分からない:まずは各ステップの開封率だけを比較するところから始め、慣れてきたらクリック率・成約率も追加で見ていく
最初から完璧なシナリオを目指す必要はありません。シンプルな構成でまず動かし、運用しながら磨き込んでいくのがステップ配信の基本的な進め方です。
LINEとメルマガどちらでステップ配信を組むべきか迷う場合はLINEとメルマガの比較記事を参考にしてください。
よくある質問
Q. ステップ配信とは何ですか?
A. 登録・購入などのタイミングを起点に、あらかじめ用意したメッセージを決まった間隔で自動的に配信する仕組みです。1通ずつ手動で送る必要がなく、登録者ごとに最適なタイミングで情報を届けられます。
Q. ステップ配信を組むのは難しいですか?
A. 最初のシナリオ設計こそ手間がかかりますが、一度組んでしまえば以降は自動で動き続けます。まずは3〜5通程度のシンプルな構成から始めるのがおすすめです。
Q. LINEとメルマガ、どちらもステップ配信できますか?
A. できます。LINE公式アカウントは有料プランでステップ配信機能が使え、メルマガも多くの配信システムにステップメール機能が搭載されています。
Q. ステップ配信の効果はどう測ればいいですか?
A. 各ステップの開封率・クリック率・最終的な成約率(予約・購入)を確認します。反応が落ちるステップがあれば、そこを重点的に見直すのが効率的な改善方法です。
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