LINE公式アカウントとメルマガ、どちらもメリットのある集客チャネルですが、限られたリソースの中でどちらを優先すべきか迷う事業者は少なくありません。この記事では、業種別の向き不向きと、両方運用すべきケースの判断基準を具体的に解説します。
LINEとメルマガ、根本的な違いのおさらい

両者の特徴はLINE×メルマガ集客の完全ガイドで詳しく解説していますが、比較の軸として重要なのは「開封率の高さ」と「伝えられる情報量」がトレードオフの関係にあるという点です。LINEは開封されやすい代わりに短文が基本、メルマガは開封率こそ低いものの、長文でしっかり情報を伝えられます。
業種別のおすすめチャネル
| 業種・ケース | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 飲食店・美容室・整体院 | LINE公式アカウント | 予約リマインドやクーポン配布との相性が良く、来店率を直接押し上げる |
| 小売店・ECサイト | LINE+メルマガ併用 | セール告知はLINE、新商品の詳しい紹介はメルマガと役割分担しやすい |
| 士業・コンサルティング | メルマガ | 検討期間が長く、実績・事例など読み応えのある情報が信頼構築に効く |
| BtoB(法人向けサービス) | メルマガ | 担当者はPCで情報収集することが多く、資料的な情報と相性が良い |
| 教室・スクール | LINE公式アカウント | 体験申込・振替連絡など、双方向のやり取りが発生しやすい |
| 不動産・保険など高額商材 | メルマガ+LINE併用 | 初期の情報収集はメルマガ、成約直前のやり取りはLINEが向く |
表はあくまで目安です。同じ業種でも顧客層のスマホ利用率やBtoB・BtoCの違いによって最適解は変わるため、まずは小さく始めて反応を見ながら判断するのが確実です。
開封率・費用の比較
| 比較項目 | LINE公式アカウント | メルマガ |
|---|---|---|
| 開封率の目安 | 60〜70% | 15〜25% |
| 登録のハードル | 低い(友だち追加ボタン1つ) | やや高い(メールアドレス入力) |
| 初期費用 | 無料 | 無料〜(ツールによる) |
| 運用コストの伸び方 | 友だち数×配信数で段階的に増加 | 登録者数に応じて段階的に増加 |
| 情報の蓄積性 | トーク画面に流れて埋もれやすい | 受信箱に残り、後から見返されやすい |
📊 SOTEROS調査|LINE・メルマガどちらが効果を実感できたか(n=257)
- 「LINEの方が反応が良い」と回答:44%(主に飲食・美容・小売業)
- 「メルマガの方が反応が良い」と回答:29%(主にBtoB・士業)
- 「どちらも同じくらい」と回答:27%
- 両方運用している事業者のうち「使い分けている」と回答:68%
【調査概要】2025年3〜5月実施 / 対象:LINE公式アカウント・メルマガいずれかを運用する個人事業主・中小企業 / 方法:オンラインアンケート / 当社支援先・自主応募を対象とした独自集計
両方運用すべきケースとその設計

次のような場合は、どちらか一方に絞るよりも両方運用したほうが成果につながりやすくなります。
- 顧客層が幅広い:年齢層や利用シーンが多様な場合、両方用意しておくことで取りこぼしが減る
- 検討期間が長く、来店・成約直前のやり取りも発生する:情報提供はメルマガ、直前のリマインドはLINEという役割分担ができる
- すでにどちらかのリストが育っている:ゼロから増やすより、既存リストへもう一方への登録を案内するほうが効率的
両方を運用する際の役割分担の考え方はLINE×メルマガ集客の完全ガイドの「両方使う場合の役割分担」でも触れています。配信を自動化して負担を減らしたい場合はステップ配信・自動化の記事を参考にしてください。
迷ったときの判断フローチャート
- 顧客の年齢層・スマホ利用率は高いか:YesならまずLINE公式アカウントを検討
- 検討期間が長い商材・BtoBか:Yesならまずメルマガを検討
- 両方に当てはまる、または判断がつかない:まずLINE公式アカウントの無料プランから始め、反応を見ながらメルマガの追加を検討する
どちらか一方に絞れない場合でも、いきなり両方に全力を注ぐ必要はありません。運用コストの低いLINE公式アカウントの無料プランから始め、手応えを見ながら広げていくのが失敗の少ない進め方です。
併用時によくある失敗
失敗1:同じ内容をそのままコピーして両方に送る
文章量も文体も異なる媒体に同じ文面を流用すると、どちらも中途半端な仕上がりになります。それぞれの媒体に合わせて書き分けましょう。
失敗2:登録の呼びかけを同時に行い、顧客を混乱させる
「友だち追加もメルマガ登録もお願いします」と一度に案内すると、どちらも中途半端な登録率になりがちです。まずはどちらか一方への登録を優先して案内し、関係が深まった段階でもう一方を案内する方が効果的です。
失敗3:どちらのチャネルで何を配信したか管理できていない
併用する場合は、簡単な配信カレンダーを用意し、LINE・メルマガそれぞれで「いつ」「何を」配信したかを記録しておくと、内容の重複や抜け漏れを防げます。
実際の使い分け事例
事例1:美容室(LINE中心)
来店予約のリマインドと空き枠が出たときの告知をLINE公式アカウントで配信。メルマガは開設したものの反応が薄く、現在はLINE1本に絞って運用。友だち数の増加とともに再来店率が改善した。
事例2:Webデザイン制作会社(メルマガ中心)
BtoB案件が中心のため、担当者がPCで読むことの多いメルマガで制作実績・ノウハウを月2回配信。LINE公式アカウントは開設していない。問い合わせ前の「比較検討段階」での接点作りに活用している。
事例3:エステサロン(LINE・メルマガ併用)
LINEでは予約リマインドと当日限定クーポンを配信し、メルマガでは季節ごとの施術特集や会員限定情報を配信。役割を明確に分けたことで、それぞれの配信の反応率が併用前より向上した。
コストシミュレーション(半年運用した場合)
| 運用パターン | 半年間の費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| LINE公式アカウントのみ(無料プラン中心) | 0〜18,000円程度 | 友だち数が増えて上限を超えた月のみ有料プランへ |
| メルマガのみ(無料〜低価格ツール) | 0〜12,000円程度 | 登録者数に応じた段階課金 |
| LINE・メルマガ併用 | 6,000〜30,000円程度 | 両方とも成長に応じて有料プランへ移行するケースを想定 |
金額はあくまで目安ですが、いずれのパターンも広告費と比べると低コストで継続的な接点を持てる点が共通しています。まずは無料の範囲で始め、リストの成長に合わせて予算を調整するのが現実的です。
導入順序で迷ったときの考え方
「結局どちらを先に始めればいいか分からない」という場合は、次の優先順位で検討すると判断しやすくなります。
- 今すでに接点のある顧客が多い方を優先する:店頭で顔を合わせる機会が多いならLINE、メール中心でやり取りしているならメルマガ
- 運用の手間が少ない方から始める:短文中心のLINEは1通あたりの作成時間が短く、初めてでも取り組みやすい
- 顧客が今すぐ求めている情報の性質で選ぶ:即時性の高い情報が多いならLINE、じっくり読ませたい情報が多いならメルマガ
どちらを選んでも「始めないよりはるかに良い」という前提を忘れないでください。完璧な選択を目指すより、まず1つを動かしながら学ぶ方が、結果的に早く成果につながります。
よくある質問(選定時の迷い)
業種の分類に当てはまらない場合はどうすればいいか
表に載っていない業種・業態の場合は、「顧客がスマホで手軽に確認したい情報が多いか」「PCでじっくり読みたい情報が多いか」で考えると判断しやすくなります。迷ったらLINE公式アカウントの無料プランから小さく試すのが安全です。
一度選んだチャネルを後で変更してもいいか
問題ありません。運用しながら反応を見て、必要に応じて比重を変えるのは自然なことです。ただしリストの引き継ぎはできないため、乗り換える際は改めて登録を呼びかける必要があります。
併用を始めるタイミングの目安
最初から両方を運用するのではなく、次のようなタイミングで追加を検討すると無理なく併用に移行できます。
- 1つ目のチャネルの友だち・登録者数が一定数(目安200〜300件)育ったとき:運用の勘所がつかめてから2つ目に着手すると負担が少ない
- 顧客から異なるチャネルでの発信を求められたとき:「メールも送ってほしい」「LINEでも見たい」という声が実際のニーズのサイン
- 1つ目のチャネルでは伝えきれない情報が増えてきたとき:短文中心のLINEでは限界を感じたら、メルマガでの詳しい情報発信を追加する
焦って同時に2つ始めるより、1つを軌道に乗せてから広げるほうが、結果的に運用の質を保ちやすくなります。
なお、業種の分類はあくまで傾向であり、実際にはターゲット顧客の年齢層・利用シーンによって最適解は変わります。表の分類を出発点にしつつ、最終的には自社の顧客データを見ながら判断することをおすすめします。
判断に迷ったときのミニ診断
次の質問にYes/Noで答えることで、どちらを優先すべきかの目安が分かります。
- Q1:主な顧客はスマホで日常的に連絡を取り合う層か?Yesが多いほどLINE優位
- Q2:商材の検討期間は1ヶ月以上かかるか?Yesが多いほどメルマガ優位
- Q3:来店・予約のリマインドが売上に直結する業態か?Yesが多いほどLINE優位
- Q4:顧客の多くが仕事中にPCで情報収集する層か?Yesが多いほどメルマガ優位
LINE優位の回答が多ければLINE公式アカウントから、メルマガ優位の回答が多ければメルマガから着手するのが無難な判断です。
フリーランス・個人事業主における具体的な活用方法はフリーランスのLINE・メルマガ活用で解説しています。
よくある質問
Q. 結局どちらか1つだけ選ぶならどちらがいいですか?
A. BtoCで来店・予約が絡む業種はLINE公式アカウント、BtoBや高額商材で検討期間が長い業種はメルマガが優先です。判断に迷う場合は、自社の顧客が普段スマホとPCどちらを多く使っているかで考えると選びやすくなります。
Q. 両方運用すると顧客に嫌がられませんか?
A. 同じ内容を両方に送ると煩わしく感じられますが、役割を分ければ問題ありません。LINEは短い告知、メルマガはじっくり読む情報、という住み分けを顧客側にも伝わるようにすると自然に受け入れられます。
Q. 業種によって向き不向きが変わるのはなぜですか?
A. 顧客が情報をどう受け取りたいかが業種によって異なるためです。来店系はスマホで手軽に確認したいニーズが強くLINEと相性が良く、検討系はじっくり比較検討したいニーズが強くメルマガと相性が良い傾向があります。
Q. 後からLINEとメルマガを乗り換えることはできますか?
A. 可能です。ただし友だちリスト・メールリストはそれぞれ別に管理されているため、乗り換える場合は新しいチャネルへの登録を改めて案内する必要があります。最初からリストの二重管理を避けたい場合は、どちらか1つに絞って始めるのも有効です。
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